【借金の記録 十七日目】新たな火種

こんにちは。かばです。

本日は借金の記録の続きです。

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【借金の記録 十六日目】妻がいなくなった日

帰宅するとベッドに妻の姿があった。

妻は起き上がらない。

横たわったままだ。

こちらから心配していたと話をしても、返事はない。

言葉の一方通行。

暗闇に向かってボールを投げかけているようだ。

その日は、一言も言葉を交わさずに一日が終わった。

けれども安否が確認できた。妻が帰ってきた。

そんなことが幸せに思える。

今はそれだけでいい

本心だった。

自分自身が変わらない限り、この状況はずっと変わらないだろう。

そう思いながら仕事に取り組んだ。

妻が帰ってきて初めて迎える休日。

そこで妻が口を開いた。

「その日のことを詳細に教えて」

私は全てうち明けた。

結婚するにも関わらず貯金がなく、今後ともに過ごす生活に不安を抱えていたこと。

それだけでなく、自分が欲しいものを買うために「楽をして」手に入れようとしたこと。

全て否定された。

当然だ。妻は有給休暇もないような会社で長く勤めあげ、コツコツと二人で過ごす金額を積み上げてきたような、努力家だ。

その長い年月をかけて積み上げた金額の一部を、たった2日間で無くした。

信じられない、悪夢だったと思う。

この時の妻の気持ちは、推し量ることなどできないし、軽々しく口に出したくもない。

ただそこからひたすらに謝罪し、地に頭をつけ続けた。

「もう使わない自転車があるから捨ててきて」

私は地域の環境センターに電話を入れ、自転車を捨てに行った。

車の中、一人だけの時間。

妻の顔を見ない、独りだけの時間。

自転車を無事に捨て、家に帰って来たときに玄関になにやら手紙のような一枚の紙が貼りつけてある。

全く見覚えのないハガキ。しわくしゃのハガキ。どうやらごみを捨てに行っている最中に届いたもののようだった。

送り元は、「ゆうちょ銀行」。

その手紙は、通帳の記帳を常日頃行っていないと、現在までの取引状況を送ってもらえるシステムによって送られてきたものだった。

そこには、入出金明細が事細かに記載されていた。

おびただしい数の「JRA」の文字。

目を背けたくなるほどの、機械的な文字が並ぶ。

すぐに張り付けられていたハガキを取り外し、部屋の中に入ろうとした。

カギは開いている。

しかし、チェーンがかかっていた。

「ごめんなさい、すみません、あけてください」

そんなことを玄関先でずっと叫んでいたと思う。

ドアが開いた。

開けたドアの先、テーブルの上には、あの書類が置かれていた。

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